バーバーリー トレンチコート 購入記
男性用のコート、いろんな種類がありますね。冬場の服装での中で最も大きな面積を占めるため、どのようなコートを選ぶかで、どのような方針で服装を選んでいるかが最も分かりやすいアイテムかと思います。今回はバーバリーのトレンチコート(の古着)購入記です。
コートの種類
コートにはいろんな種類があります。
ビジネス使用を念頭に、最初に買いやすいコートはステンカラーコートだと思います。黒、ダークネイビー、チャコールグレイなどの濃い色の無地を買っておけば、ビジネスにおいてNGのシーンはないと思いますし、冠婚葬祭にも着ていけます。短所としては、面白みやゴージャスさがないということかなと思います。それとて、使用場面を考えると利点になり得ます。
一点気を付けたいのは、素材です。合成繊維のステンカラーコートが安価に出ていますが、できればウールとか、ちょっと頑張ってカシミヤとかの天然繊維が良いと思います。カシミヤコートでも、国産であれば5万円台くらいで購入できます。
ステンカラーコートよりもラグジュアリーに見えるのは、襟のしっかりしたコートです。代表的なのはチェスターフィールドコートとか、アルスターコートだと思います。襟がある分、正装になるようです。ただ、ステンカラーコートに比べると首回りが空いてしまいますので、マフラーとセットにしなければならないように思います。
暖かいということで言えば、ダウンコートです。もともとはスポーティーなコートですが、最近はかなりのビジネスシーンで着てもおかしくないようなダウンコートがあります。アウトドアブランドでロゴが大きく入っているようなのはビジネスは厳しいですが。
というようなことをYoutubeやブログを見て勉強します。
Youtubeでこれらの動画を見ていると、お勧めにファッション系の動画が出てくるようになります。
そんな中に、古着屋さんをめぐる動画が出てきます。
こういうのを見ていると、ヴィンテージもなかなかいいなあなんて思い出し、トレンチコートっていいんじゃない?なんてことになっていくのです。
そして気づいたときには沼に・・・。
トレンチコート
トレンチコートは、もともと第一次世界大戦中に塹壕に入る兵士が、雨や泥から身を守るためのレインコートとして英国で作られたものということです。そのせいで、雨を通さないようにしっかりと織られたコットンでできており、肩章を付けるためのエポレット、手りゅう弾をつるすためのD環、銃を撃った時の衝撃を和らげるためのガンパッチ、などなどが備わっているとのこと。
自分がステンカラーしかもっていなかった時代には、あんなごたごたしたコートと思っていたものが、気分が変わるとあのディテールがいいんだよね、と変わるのですから、全くいい気なもんです。
さてトレンチコートを作り始めたのは、今も続いているバーバリー、アクアスキュータムという、老舗のブランドです。とっても敷居の高いブランドですね。私なんかは、びびってブティックに入ることすらできません。
しかし、ヤフオクなどで見てみると、これらのトレンチコートが1万円くらいからたくさん出品されています。これくらいなら試しに買ってみてもよいなと思える金額です。
たださらにじっくり見てみると、1万円くらいから20万円を超えるものまで、さまざまです。何が違うのかなと調べてみました。
年代
1900年の始めからトレンチコートは作られているわけで、作られた年代の古さによって金額が違うようです。古いものと新しいものが高価になっています。
新品をバーバーリーのブティックで買うと30万円を超えるようですので新品は高いですね。
なんとなくですが、1990年代のものは比較的安価、それよりも古くなり、かつ程度が良いものは高価になるようです。
作られた年代は、タグを見ると分かるようです。背中についている紺色のタグと、コートの中にある白いタグ。詳しくはこちらで。
生産国
英国製が高価です。
日本では、三陽商会さんがライセンスを受けて最初は輸入、やがて生産されていました。そちらの方が比較的安価なようです。
さらに、ブラックレーベルやブルーレーベルは、三陽商会さん独自のブランドのようですので、これらはもっと安価なようです。
一枚袖
通常の袖は、2枚もしくは3枚の布をつなぎ合わせて作られています。ところが、これを1枚の布で作ったものを一枚袖と言います。そうすることで、肩がすとんと落ちて格好良い、動きやすいということがあるとのこと。バーバーリーの1枚袖はそれだけで付加価値になっていて、価格が高くなります。
生地
コットン100%で作られているものが高いです。年式が新しくなると、コットンとポリが合わさったものになっていきます。そうなると少し価格が落ちるようです。
バーバーリーの生地には玉虫色と言われる織り方をされているものがあります。カーキ色に見えるのですが糸の横糸(だったかな?)にグリーンの糸を織り込んでいて、光の加減によって色が違って見えるというのがあります。
程度
古着ですので、当然、汚れや傷がついています。それらの多少によって価格が左右されます。
以上のような要因の組み合わせで、価格が決まっているようです。そういう目で見てみると、確かに高価なものはその理由を理解できます。
できれば、英国産で、コットン100%で、玉虫色で、一枚袖で、できるだけ古くて、しかも状態が良いのがいいなあなんて勝手なことを思ったりしますが、当然、価格との相談になりますね。
古着屋さんに行ってみる
ヤフオクやその他の通販サイトで調べてみて、自分の好みに合うものをチェックしていきますが、状態というのがなかなかわかりません。またサイズ感もよく分かりません。一応、UK〇〇とかその他の表記法のサイズが書いてあって、身幅、袖丈、身丈なども記載してありますが、どうもピンと来ないのです。
できれば実物を見て、試着してから買いたいなあ。別に買わなくても実物を見れば、ある程度の相場観とかわかるだろうしと考え、古着屋さんに行ってみることにしました。
古着屋さんと言ってもたくさんあるし、Youtubeでもいろいろなところが紹介されています。できれば古着屋さんがいくつか集まっていて、色々なお店を回れるところが良い、でもその中に評判のお店が含まれていてほしい、ということで目を付けたのが高円寺です。高円寺には様々な古着を扱うお店が集まっているようです。またその中に、アネモネさんやSafariさんといった、Youtubeで見てもバーバーリーなどのヴィンテージコートを取り扱っている有名なお店があります。
高円寺まで電車で1時間強。まあ散歩がてらに見に行くだけだから、なんて自分を説得して行ってみることにしました。
最初にSafari3号店に行ってみます。まず圧倒されるのは革靴の群れです。ジョンロブとかチャーチとか、有名ブランドの靴がずらっと並んでいます。Usedではあるのですが、自分にはべらぼうに安くは感じられません。元値を考えると明らかに安いのですけども。さすがにUsedですので前のオーナーの付けたしわがしっかりと刻まれています。しかしそれを除くとまだまだ履けそうな靴ばかりです。
難点は自分のサイズを探すことです。特に私は足のサイズが小さいので、自分のサイズを探すのには苦労しそうです。端から順番に見ていくと結構時間がかかりそうだ・・・。
はっと気づきます。今日はコートを見に来たんだった。
コートのコーナーに移動です。Safari3号店さんは、ヴィンテージコートは、マッキントッシュ、ラルディーニ、ヘルノ、エンメティなどのブランドが中心です。バーバーリーやアクアスキュータムという感じではなさそう。それでも良さそうなのがありますので、また初心を忘れて2着ほど試着させていただきますが、自分のサイズではありませんでした。
店員さんに聞くと、Safari6号店にヴィンテージのコートが多いそうです。あとでそちらに行ってみることにします。
アネモネさんでバーバリーコートを買う
次にアネモネさんに行ってみます。赤峰先生お墨付きのショップです。
とても狭いお店で、コロナ対策で入店者数が制限されています。2人分(といっても5分くらい)待って、入店します。入ってすぐからバーバーリーのコートが並んでいます。見ていると店員さんから「そちらはレディースですが・・・」とのこと。その奥のメンズのコーナーに行ってみます。
奥にもたくさんのコートが並んでいて、バーバーリー、アクアスキュータムなどのオンパレードです。おお、ヤフオクで見たやつじゃん。コーナーごとに見ていくと、手前が比較的安価(5万円前後)、その奥に結構高め(10万円前後)となっています。どうやら一枚袖は10万円コースみたい。さらにその奥に、襟と長袖のライナーがついて、一枚袖のトレンチ21が鎮座しています(10万円後半コース)。一通り全体を見た後で、とっつきやすい手前のコーナーをじっくりと見ます。
まず目についたのがアクアスキュータムのUK34のベージュのトレンチコート(4万円台)。自分はこのサイズではないかなと考えて試着させてもらいます。着てみると、制服を着ているみたいでコスプレっぽくもありますが、なかなかきまっているようにも見えます。
店員さんに見てもらうと、「ジャストサイズですけど、中にジャケットを着るとちょっと窮屈かもしれませんよ」といってジャケットを出してくれました。着てみると確かに腕周りとか、胸のところが少し窮屈です。でも着られなくもない。
店員さんが別のサイズを出してくれます。バーバリーの46regと書かれたサイズ(6万円台)。玉虫色。着てみるとアクアスキュータムのよりも大きいですが、袖丈はあっていて、着丈もひざと足首の中間くらいまで。「コートはひざ丈のものをがばっと着るのがクラシック」という赤峰先生の言葉を思い出します。店員さんは「ジャケットを着るんだったらジャストサイズですよ」とのこと。
他にないですかと聞くと、同じサイズのバーバーリーを出してくれます(5万円台)。ちょっと大きいかもしれませんということで着てみると、確かに指先までほぼ隠れてしまうくらい、着丈も足首近くまであります。同じサイズなのになあと聞いてみると、ヴィンテージコートは前の持ち主がサイズ調整をしていることがあるので、同じサイズ表記でも実寸は違うのですよとのこと。
5万円と6万円の違いは何ですか?と聞いてみると、6万円のほうは玉虫色なのに対して、5万円のほうはベージュ。あと6万円のほうがまだ生地に張りがあるけれど、5万円のほうはだいぶくたっとしているのでそれも効いていると思いますとのことです。
さてこの3着を何度か試着して迷います。ちょっと小さいかもしれないけれどアクアスキュータムのがサイズはよいように感じる。でも店員さんはバーバーリー推し。試着して外で玉虫色を見てみませんか。日光が当たるとこんなに色が変わって見えるんですよ、と教えてくれます。確かにきれいです。
あれっ、今日は散歩がてらではなかったっけ?と思いつつ、比較的サイズが自分に合っていて、状態も良くて玉虫色で、英国製で、という条件を満たしています。一枚袖ではないけれど、ちょっと価格的に高すぎるなあと思うので、これがベストかもしれない。信頼のおけるアネモネさんのものだし。
と考えて、購入することにしてしまいました。Safari6号店にはたどり着かず・・・。
ちなみに、タグには Made in England の記載があります。三陽商会がライセンス製造した日本製のものも多く出回っていますが、やはり英国製がいいです。アネモネさんには英国製しかないのではないかな。

100%cottonです。英国製バーバーリーでも、コットン51%、ポリエステル49%のものもあります。これもどうせならコットン100%がいいです。気分の問題ですが。

ポケット内側にある白いタグで、製造年が分かります。私の奴は80年代であることは分かるのですが、一桁のところが薄くて判別できません。下の画像の赤く囲ったところです。83年かなあ。いずれにしても30年以上前のものですね。

家で着てみると
家に帰って、改めて着てみます。すると、なんかでかいぞ・・・。


お店で感じていたのとはちょっと違う感じがする。やっぱりちょっと雰囲気に飲まれていたかな・・・。コスプレ感が満載。これを仕事に来ていくと、「ど、どうした??」と言われそう。
ショックから回復するために少し間をあけてもう一度試着してみますが、やっぱりちょっと大きいような。袖丈はまあいいんだけど、着丈がちょっと長いし、身幅もちょっと大きいのかな。ベルトで縛って、ドレープ(しわ)を楽しむのがいいという気もするけれど、それにしてもなあ・・・。困ったなあ・・・。


勢いで買ってはみたものの、あまりにも即決しすぎだろうと自分の決断力を後悔するのでした(次回に続く)。