最先端と最前線

東北大震災の後でした。テレビで震災地の診療所で働かれている医師のインタビューがありました。その先生は、「自分たちは震災の最前線で患者さんと向き合っている、でも世の中には遠隔手術とか医療の最先端で戦われている先生もいる」という話をされました。

はっとしました。震災の時、ボランティアで現地に行かれる方々を見て、自分はこれまで通りの仕事をしていていいのだろうかと深く考え込んでいました。しかしこの先生の言葉を聞いて、今我々がなすべきことはそれぞれの持ち場で最善を尽くすことなんだと強い思いを持つことができました。

私は大きく括ると研究職でして、自分がかかわった研究が世の中の役に立つかどうかは分かりません。むしろ役に立たずに終わることの方が多いと思います。時々むなしくなったりしますが、しかし最先端を切り開く役割を担っているんだと自分に言い聞かせています。