ビギナーズラック?マーフィーの法則?

ビギナーズラックという言葉があります。初心者がすいすいと物事を達成してしまうことですね。傍で見ている方がハラハラするような局面でも、無邪気にえいやっとやり過ごしてしまうイメージです。言葉として定着するくらいなので、それなりの確率で起こるというだと思います。

一方で、「失敗する可能性があることは、必ず失敗する」というマーフィーの法則があります。ビギナーズラックと矛盾するではないかと漠然と考えていました。

よく考えると、これは試行回数の問題ですね。失敗する可能性が10%の物事に取り組むとき、初心者が失敗する可能性は10%。90%は成功するわけです。しかし何度も同じような課題に取り組むとき、あるいは複数の工程を経て物事が達成されるような場合には、そう単純にはいきません。

失敗する可能性が10%の物事に2回取り組むとき、両方とも成功する確率は81%に落ちます。さらに3回、4回と取り組むと、73%、66%と、どんどん成功確率が落ちてしまいます。もともとこのマーフィーの法則は、飛行機の整備工場での観察結果をもとにしていたと思います。飛行機を整備するような複雑な作業では、どこかで、誰かが、いつか失敗する可能性が極めて高いということですね。

もう一つ、最初は怖いもの知らずであったビギナーが、経験を積んでミスの可能性を意識するだけで、成功確率が落ちることがあるのではないかと思います。地面に50cm幅の板を置いてその上を歩けと言われたら、多くの人がやすやすと成功させると思います。しかし地上10mのところに幅50cmの板を置かれたら・・・、足がすくみますよね。つまり知恵がついて失敗の可能性が分かってくるだけで、成功確率が下がることがあるのではないかと思います。

最初は天才かと思われたビギナーも、そのうちに現実に打ちのめされ、運に見放されたと嘆くことになります。挙句の果てには、失敗を恐れて最初から挑戦することを諦めてしまうようになります。

ということで、「どこに失敗の可能性があるか」を冷静に把握したうえで、それでも一歩を踏み出せる準備をしておくことが大切だなと思います。